「毎度お騒がせします」香港の状況について書いてみる④

えー、面白おかしく書ける状況じゃなくなってきました。

まず、残念ながらこの抗議活動による初の死者が11月8日に出てしまい、これを境にデモ隊の活動が過激化。香港中文大学(めっちゃ賢い大学)では抗議者と警察の激しい衝突が発生、まるで戦地のようなその光景には目を疑った。また、この大学には国際インターネット交換センターが配置されているという情報もTwitter上で話題となり、「政府が情報の遮断を狙っているのでは?」という憶測も乱れ飛んだ。

中文大の混乱も覚めない中、次はより市街に近い香港理工大学(めっちゃ賢い大学)でも戦闘が開始。催涙弾、放水車でジリジリと追い詰めた警察が大学を包囲し出てくるデモ隊を片っ端から逮捕していくという状況が続いていたが、これを書いている19日15時時点でもまだ続いている様子(まだ100人ぐらい学内に残っているとか。ソースなし)。

この大学は日本人が多く居住する紅磡(ホンハム)に位置していることもあり、私の知り合いも多く「家の下で催涙ガスが撒かれた」や「通勤路が燃やされて通れない」、「夜中まで外から怒声が聞こえ寝られなかった」など間接的な被害に遭っている。

そして昨日11月18日金曜昼には、紅磡にほぼ隣接する九龍サイド第一の繁華街そしてオフィス街である尖沙咀(チムシャーチュイ)の地下鉄駅が急遽クローズとなり、周辺企業や店舗はそれに伴い急遽店じまいをするなど混乱が発生した。本日も朝からずっとクローズされていたが、現在は既に閉鎖解除になったようだ。


ということで、前回投稿の③では「メキシコのルチャドールは香港来るなよ!!」など全力でふざけていたが、状況からは一変して正直下手な書き方すると怒られてしまうレベルに悪化してきている。

このブログは香港状況報告ブログではないし、そもそも抗議活動について書き始めたのも少しでも個人的に気持ちを明るくできないかなとふざけ半分で始めただけの話だ。これ以上はシリアスになりすぎで、いくら誰も読んでない糞ブログとは言え、書く以上は情報の正確性は求められてくる。だが私もそこまでの責任は持てないし、そもそも楽しいこと以外は書きたくない。同じ香港人同士が貶しあって殴りあう、時には火をつけ時には発砲をする。何故こんな綺麗な街をぶっ壊すのか、何故何もしていない人をぶっ叩くのか、現代で兵糧攻めなんてやっていいのか、ショッピングモールの窓ガラスを何枚も割り火炎瓶を投げることに何の意味があるのか。。

ということで、ここらで香港情勢について書くのは一旦休止としたいと思う。誰も読んでいないこのブログなので勝手に辞めて全く問題ないが、ここで一区切り。

最後に今の香港に捧げる一曲。

Kirisame / KEMURI

「毎度お騒がせします」香港の状況について書いてみる③

キャリーラム行政長官の逃亡犯条例改正取り下げ発言から既に2、3週間ほど経つが、五大要求を求めるデモ隊側は一向に譲らず、むしろどんどん過激化している。

デモ隊により燃やされる中国銀行

他にも、警官と思しき人間がデモ隊の火炎瓶投擲により燃える動画など、結構ショッキングな映像も出回ってたりするのだが、出処がわからん上真偽のほども定かではないのでここで取り上げるのはやめておく(中国解放軍が来たぞ!みたいなコラージュ写真も多く出回ってて、結構真偽の怪しいものも多いので)。

さて、他にもデモや集会で身分識別を相当程度妨げるマスクを禁止する『マスク禁止法』が昨日より施行され、これによりマスクをつけてデモの近くを歩くことさえ危なくなってしまった。日本からの旅行者などは、マスクをしたまま知らずにデモなどに近づくと危ないので要注意。メキシコのルチャドールたちも当面は香港への渡航は避けた方が良いだろう。

こういう人たちは一発

街は百貨店やスーパー、コンビニまでも臨時休業をする店舗が増え、それを恐れて買い占めも発生している。夜は人がほとんどいないエリアも多く、まるで戒厳令のようである。また、今日は大規模な集会が各所で予定されているらしく、警察との衝突もより激しくなるのではと推測。また気が向いたら書きます。

「毎度おさわがせします」香港の状況について書いてみる②

歌って、いいですよね…

先日機内で『ボヘミアンラプソディー』を観てものの見事に大号泣した(今更感)。「おーいおいおい…」という今時漫画でもないようなレベルの号泣。「あの映画でそんな泣くシーンあったか…?」という外野のコメントは置いておいて、歌は素晴らしいのだ… I’m having a good time, having a good time..!!!

先日、香港デモにて新キャラが登場した。

合唱隊である。香港を代表する建物、金融街のど真ん中に建つIFCにて、中国頑張れといきなりの大合唱、フラッシュモブが発生した。左寄り団体がその参加者たちに現金を配っていたとかいう話は置いておいて、今まで世紀末都市のごとく催涙弾、火炎瓶、スマブラと物騒なことこの上ない状況だった香港にまさかの新展開。こればっかりはさすがの有識者諸君も予想できなかったことだろう。歌って君。

これに対して反体制勢力がどう動くか。

もし万が一歌で対抗したとしたら…?

その昔、ガチンコの犯罪率でそれこそリアル世紀末都市だったニューヨークシティはブロンクス地区、血を血で洗う抗争を繰り広げていたギャング達がブレイクダンスに勝敗を見出したように!どこに着地点を見出せば良いのかわからない今の香港が!歌によって!未来を見出すのかもしれない。

2019年香港(予定)

最後に、私はフラッシュモブをやられて喜ぶ奴も、やって喜ぶ奴も大嫌いだ!!


〈登場人物まとめ〉

キャリーラム:香港で一番偉い人。板挟み状態の可哀想な人。

デモ隊:通称黒服隊。当初はピースフルなデモを敢行していたが、最近は火炎瓶に公共物の破壊にとなかなかバイオレンスになってきている。

白シャツ隊:香港マフィアという話。黒服を見かけるとスマッシュブラザーズを仕掛ける習性あり。

赤シャツ隊:福建マフィアという話。白シャツ隊の援軍だとか。恐いアル。

警察:当初は『逃亡犯条例』改正反対のデモだったはずが、気づくとデモ隊最大の敵になってしまった彼ら。警棒でボコボコにする姿が狂気。

マスコミ:香港の今を伝える使命に駆られる人たち。現場によってはデモ隊より彼らの人数の方が多い。

合唱隊:中国加油!の歌を歌う新キャラ。雇われているという噂も。

早く言いたい香港あるある②『日本人なのに駅名を広東語読みしがち』

これは香港あるあるというか香港に1年以上住んでるような日本人あるある。実は私もこの病にかかっているのだが、広東語というのは何とも発音したくなる病をはらむ言語なのである。その上、「あっ、この人香港に詳しくてカッコいい。。」と思わせることもできるこの技術、是非皆さん使っていただきたい(アイヤー)。

「いやー、本当の広東語はそんな発音じゃないんだよなあw」みたいな方は絶対に仲良くなれないので一刻も早く出て行ってください。

さて、ではまず第1問、これは広東語で何と読む。

初級: 銅鑼湾

香港に来たばかりの日本人がまず覚えるであろう広東語駅名。オフィシャル読みは Causeway Bay(コーズウェイベイ)と言いますが、さて広東語では?

正解は『トンローワン』。

香港の渋谷(俺調べ)ことトンローワン。若者が集いオシャレ服屋さんが立ち並ぶこの街は、歩くだけでHPが減ってしまう毒の沼という噂も(俺調べ)。ちなみに北海道コンサドーレ札幌クリエイティブディレクター相澤氏のブランド “White Mountaineering” の店舗はこのエリアの更にオシャレエリアにある。シャレオツボーイズアンドガールズがウヨウヨしている。

では続きまして第2問。

中級: 北角

オフィシャル読みでは North Point(ノースポイント)。ここは今もガンガンやってる香港デモで、デモ隊と白シャツ隊(香港ヤクザ)が大乱闘スマッシュブラザーズをやった場所としても有名。日本でも、棒でお互いをぶん殴り合う衝撃映像を観られた方は多いと思うが、実は普段は日本人も多い閑静な下町だったりする。この町を広東語読みし始めた奴の「コイツ、やってんなぁ」レベルはなかなか高い。さて、では回答は?

バッコー』。

バッコー。超言いやすい。バッコー。

「昨日北角(バッコー)でデモあったらしいじゃん」

何て使ったら「コイツ、やってんなあ」ってなる。ちなみに私はガンガンバッコー読み。

では最終問題。

上級: 將軍澳

端から読めんわ!という方、ご安心ください。この『將』の字は日本語だと『将』。つまり『将軍』。

「し、、しょうぐんおく。。?」

惜しい!多くの香港在住日本人はこれを『しょうぐんおー』と読む。では正解は?

ちゅんくゎんおー』。

ご察しします。しかし、実はこの駅のオフィシャル読みも『ちゅんくゎんおー』。つまり、『ちゅんくゎんおー』と読む日本人は決して間違っているわけではないのだが、発音が発音なだけに「やってんなあ」となる。私は『しょうぐんおー』読み。理由は『ちゅんくゎんおー』と読むとわからない日本人がいるのと、発音厨が「え?それって『ちゅぅぇんくぅわぁんおー』のこと?」とか舐めたこと言ってくるので絶対に言わない。少し噛んだ日本人よりウザいものはない。

ここで本当の最終問題。

超上級: 將軍澳

痴呆老人か!と思われた方、違うんですよ。ガチの人は『ちゅぅぇんくぅわぁんおー』よりガチな読み方をしてくる。これを言う日本人は「やってんなあ。。」とかじゃなくてたぶんガチ勢なので、むしろ近づいてっていろいろ教えてもらうのが良いと思われる。では気になる回答は!?

T.K.O

真っ白な灰になられたことでしょう。どう言うことかと言うと、この將軍澳はアルファベットで書くと”Tseung Kwan O”。頭文字を取ってT.K.O。これたまに香港住所であるんだが、3つ漢字が並ぶ場合は頭文字を取ってきて表すことがある。例えば九龍半島1番の繁華街尖沙咀(チムシャーチュイ)はTsim Sha TsuiなのでT.S.T.。こっちは割とメジャーなのであれだが(まあ日本人は『チム』と略すが)、將軍澳をT.K.O.はだいぶレベルが高い。下手に言うと香港に超詳しい古くからいる人だと思われて大変な思いをすると思われるので、使用は要注意。


やはり同じ漢字を使う民族として、香港の繁体字というのは非常に興味深い。そういうのもあって、(通ぶりたいというのもありつつ)どうしても広東語読みしてしまう気持ちは是非ご理解いただきたいと思う。ただ、中環(Central)を『ぢょんわん』と呼ぶ奴とは仲良くなれないと思う鬼佬でした。セントラルでいいだろセントラルで。

「毎度おさわがせします」香港の状況について書いてみる

最近いろんな意味でホットスポットになってる香港。デモ、警官隊、催涙弾、解放軍。。物騒な言葉が香港だけではなく日本でもニュースを騒がせている。そしてつい先日、遂に日本国外務省が香港の危険レベルを1(十分注意してください)に引き上げた。あの犯罪が起きまくってるブラジルですら、爆弾がボンボン爆発してるタイですらなっていない1に香港がなってしまったのだ。。

世紀末や。。九龍半島の目抜き通りネイザンロードは火災が発生、日本人も多く住む香港島の下町ノースポイントはデモ隊と白シャツ隊(香港ヤクザと言われている)が棒でしばき合い、催涙弾は日常となり「ようこそ催涙ガスの溢れる街香港へ」というプラカードを皮肉的に掲げるデモ隊も空港に現れた。ノリは「わたしたちは時計台の鐘のなる札幌の市民です」だが、内容が加藤あいと阿藤快ぐらい違う。世紀末や。。10万53歳や。。

さて、ではそんな時はまさに世紀末な香港に住んでいる私はランスアーチャーのような奴に鋲付きバイクで追っかけ回され恐い思いをしているのか。

んなこたーない。

ここからはあくまで個人の感想なので「てめえ香港がいま大事な時にゴラァ」とか「そんなこと書いて責任取れんのかゴラァ」とかは泣いちゃうから言わないでほしい。

ちょっと騒ぎすぎでは?が正直な感想。実際生活してて危険な目に遭ったことはないし、少なくとも私の知り合いでも何かに巻き込まれたとかは聞いたことがない(1人だけ、営業に行こうとデモ隊横を通ってたら催涙ガス浴びたというのはいたが。。)。集会やデモに近づくことさえしなければ別にby沢尻という印象である。拙宅は日本のテレビが見られるのだが、その方が食いつきがいいからだろうが非常に過激なシーンばかりが放送されているように思う。嘘では全然ない実際に起きていることは確かなのだが、毎日どこでもあんなのになってるんじゃないの?というのはちょっと違う。某旅行会社の知り合いが「この掻き入れ時に香港韓国はキャンセルだらけ、台湾の一人勝ち」と言っていた。まあ気持ちはわからないでもないが。。そこまででもないように思うんだけどな。。小籠包の旅を楽しんでくれ。

しかし、

今後どうなるかわからんというのは間違いない。中国国境に軍隊が控えているというのもたぶん本当なんだろう。最近のデモ隊の行動はかなり過激化していて、冷ややかに見ていたり、もうついていけないと運動から離れる香港人も多いそうだ(ソースなし)。そう、つまり峯田を残し全員辞めた銀杏BOYZ状態と言えよう。確かに、平日真昼間に地下鉄止めたり、巨大ショッピングモールにデモ隊集めようとしたり(未遂)、更には『みんなで自分の口座から1万香港ドルおろそう』キャンペーンをやったり(参加者が少なかった様子、小市民の私は引き出し凍結を恐れて3000ドルおろした様子)、程度の低いイタズラになってしまっているのが痛い。

逃亡犯条例どこ行った?!

というのは結構な人が思っているのではないかな、と。また気が向いたら書きます。どぉなっちゃってんだよ。