うろ覚え名曲数珠つなぎ6曲目 No.1 feat. G.LINA /tofubeats

tofubeatsと言えば、仕事もそっちのけでDJ活動をしていた当時を思い出す。当時の大阪クラブシーンは活気に溢れていた。隣を見ればアメ村を代表するクラブGrand cafe, Joule, こちらは難波だがRocketsなど、何百人も動員するようなイベントがゴロゴロあった。そういうイベントを目指してあまたのDJたちがイベントを作ってはなくなり、作ってはまたなくなり。私もそんな泡沫DJの一人で2ヶ月に一度のレギュラーイベントをやってたわけだが、時を同じくしてtofubeatsも東心斎橋Club Stompというクラブでメローなんとかというイベントを『奇跡のクリスマスUstream』で一躍時の人になっていたDJ OKADADAらとオーガナイズしていた。個人的には全く面識もないし話したこともないのだが(DJ OKADADAとは難波サオマイで話したことがあったか)、知り合いの知り合いぐらいな距離感だったため噂話は耳に入る。その噂話というのも、褒め続けないと死んじゃう病気かなんかなんですかね?と問いたくなるぐらいの絶賛ばかり。イベントに全く客が来ず、悩みに悩んだ結果『鮭トバを食べながらテクノで踊ろう!』など迷走企画をやっていた私である、他人が褒め称えられることを心から受け入れられるはずがない。精一杯余裕ぶった素振りを見せつつ嫉妬フル回転で嫌悪していたのを覚えている。


その後、tofubeatsはご存知『水星 feat. オノマトペ大臣』がスマッシュヒットとなりプロデビューをする。それでさえ私のプライドはズタズタになったのだが、それがまたいい曲なのだ。クソ曲なら毒を吐いて溜飲を下げることもできたがこうなってしまうとぐうの音も出ない。極め付けは今回紹介のこの曲、もうお手上げである。フィーチャリングのG.LINAって名前もやばい。Gって何。本名がグジョンセン・リナさんとかそんな感じでその略でGなのだそうだが、Gの文字パワー強すぎない?G1のGは後藤のG、ジャイアン。Gの系譜に合わないウィスパーボイス、最高である。

ただ、このPVを見ても俺はやっぱこの人たちとは話が合わないだろうと思う部分があったりする。例えばこんなオシャレな曲にテンガを出てくるシーン。これなんかはもうダメだ。曲もいいしちょいエロなユーモアもある、そしてそれをエロめなオシャレクラバーお姉さんたちがいじる。そんな破廉恥な光景が容易に想像できてしまい、彼らが文化系カースト最高位であることをアピールしているようでもうダメだ。体育会系帰宅部を自称していた硬派な私に合うはずがない。藤岡弘、先生、一生ついていきます。

ということで未だに彼の名前を聞くたびに当時のいろいろな思いが思い返されるわけだが、名曲であることは間違いないので必聴です。

No.1 feat. G.RINA / tofubeats

うろ覚え名曲数珠つなぎ 5曲目 戸塚ヨット/QP CRAZY

前回うろ覚え3曲目としてシャボン玉をアップしたが、実は3ではなく4曲目だったということにさっき気づいた。もう面倒なので直さないが、今回は一つ飛ばして5曲目(どうでもいい話、香港も4は縁起が悪い数字で、建物では4のつく階がないことが多い。ウチもない)。


今回は殺害塩化ビニールのバカ社長ことCRAZY SKB率いるバンドQP CRAZYの『戸塚ヨット』を紹介。情報量が多すぎて既について来られていない諸君も多いことだろう。

  • 善良な市民) 殺害塩化ビニールって何ですか?
  • 回答)インディーズレーベルの名前です。CRAZY SKBが80年代に設立した『人つ目レーベル』から改名して今に至るまで活動しています。
  • 善良な市民)人つ目レーベルって何ですか?
  • 回答)知りません。僕が生まれる前からある頭のおかしい人たちが考えた頭のおかしいレーベルだと推測します。
  • 善良な市民)殺害塩化ビニールからはどんなバンドがリリースしているのですか?
  • 回答)基本的には激しい音楽が多いですが、ジャンルレスです。いくつかバンド名を挙げると、今回紹介のQP CRAZY猛毒流血ブリザード呑百姓四日市ぜんそく毒殺テロリスト、などです。
  • 善良な市民)名前大丈夫なんですか?
  • 回答)何度か国から発禁食らってます。つまり大丈夫ではありません
  • 善良な市民)『戸塚ヨット』という曲名もだいぶ怪しいように思います。
  • 回答)際どいですね。まあ、政治家で元参議院議員の山本太郎もその昔『アジャコング&戸塚ヨットスクールズ』という名前で地上波出てたわけですしセーフなのでしょう。
この切れ味である

80年代から続く由緒正しいレーベルであり、清々しいほどの気の狂い方。私が初めてこのレーベルを知ったのは高校時代、札幌ピヴォに入ってた(今もあんのかな?)タワレコにて「バカ社長率いる殺害塩化ビニールよりリリース!」みたいなポップを見たことに遡る。え、バカとか殺害とかちょっと意味が。。と困惑したのと同時に、当時ゴリゴリのパンクキッズだった私は半ば嘲笑したのを覚えている。はいはい、イロモノ乙、と(乙ってのもなんか古いな)。

そこから長く私の脳みそからは消えた存在だったのだが、彼ら(というかCRAZY SKB)が運営する暗黒プロレストリプルシックスというプロレス団体を知ったことで再会。「いいものはいい」と言える大人になった私は、そこからガッツリ殺害塩化ビニールにハマるのだった。では聴いてもらいましょう、QP CRAZYの皆さんで『戸塚ヨット』

大人でこれ聴く?!てか赤ウニ?!って思った奴がもしいたら1発ぶん殴りたい。もしそいつが弱そうだったら追加で5発ぐらいぶん殴りたい。これ最高ですよ。最高にかっこいいじゃないですか。いやぁ、白塗りって本当にいいもんですね(水野忠邦)

うろ覚え名曲数珠つなぎ 3曲目 『シャボン玉』/ DELI, MIKRIS, MACKA-CHIN feat Tina

渋谷宇田川発、日本のヒップホップシーンに大旋風を巻き起こしていたNitro Microphone UndergroundからDELIのソロアルバムを紹介(正確に言うとソロではなく彼が設立したチカチカプロダクションのコンピレーションアルバム)。

これは思い出がありますね。まずジャケット。

「誰だこの可愛い看護婦は!!」

多感な中学生の鬼佬青年はまず股間センサーが働くわけですよ。当時インターネットも出たてぐらいで、今のように簡単には情報が集まらなかった時代、今だったらネットなしでどうやっていろいろ調べます??無理でしょ??それを当時のちんこ中心の生活をしている中学生は何とか探り当てるんだから、我ながら大したバイタリティだったと思う。どうやって突き止めたのかは忘れたが、彼女が伊東怜(うろ覚えだが確かそんな感じ)という名前のAV女優で、彼女の作品を近所のレンタルビデオ店で見つけた時の達成感と言ったら(もちろん親のカードでレンタル)。。今までで一番の成功体験かもしれない。就活の時に話せば今頃大企業にいたかもな。。

さて、今回はそのコンピアルバム『チカチカ大作戦』より『シャボン玉』を紹介。良い意味でヒップホップのアクの強さがなく非常に聴きやすい。シャボン玉というタイトルの通り浮遊感のあるトラックと3MCのラップ、Tinaの歌声。夜の曲です。リリックもいいんですよね。以下歌詞より抜粋。

古今東西 様々なタイプ 浮かんではまた消えてく 絶え間ない
舞うも飛ばすも ためらいはない 所詮、シャボン玉みたいなLIFE

十人十色、生き方があって 人それぞれに、死に方があって
いいさ判ってる 奴は笑ってる おそらく這ってる

チカチカ秘大作戦『シャボン玉』より

またMACKA-CHINのライムが効いてるんですよね。リリックの内容はわけわかんなすぎて草不可避この上ないが、むしろ意味を完全に排除してライムに全振りした彼は唯一無二の存在。あと彼がソロアルバムとかでもよく使ってる「行くぜぇ。。」ってサンプリングね。あの使い方とかだけで上がります。個人的にはニトロの中だとMACKA-CHINが好き。

とりあえず超おすすめなので、是非夜に夜景を観ながらお聴きくださいまし。ちなみにDELIは現在千葉県松戸市の市議会議員。すげー。

では、今から上海に行ってきます。行きたくねー

アサヒビールのWeb CMに先輩が出演した話

かなり昔、私が仕事そっちのけでひたすらDJをしていたときの先輩が海外向けアサヒスーパードライのWeb CMに出演した。

ここに出ているDJ Fulltonoさんにはいろんなイベントでお世話になったのだが、私がDJ辞めてからは完全音信不通。今何してんだべななんて思ってるとこに友人からこの知らせが。当時から日本のGhetto Techno (というジャンル)の第一人者で有名人ではあったが、アサヒビールにまでたどり着くとは。継続は力なり。DJ用の名刺まで作ってクッソイベント回りしてたにもかかわらず「夜眠たいししんどい」とあっさり辞めてしまった私には到底できない所業である。

さて、ちょっと懐かしくなったのでここらで私も当時ハマりまくったゲットーテクノの動画をご紹介。


まずは当時、西がフルトノさんとすると東はこの人DJ Familyさん。ある時急にクラブ界隈から姿を消してしまったのだが、彼が続けていたらどうなっていたのか。スクラッチがキレキレ過ぎてちょっと意味がわからない。

次、デトロイトゲットーテクノのドン、DJ Godfather。ひでー適当な名前だななんて思っていたがガチのゴッドファーザーであるとかいう噂(本当かは知らない)。しかし彼はDatabass、Twilight 76というゲットーテクノの超重要レーベルを作り、このジャンルにおける超重要人物。今もやってるみたい。

ということで、素晴らしきGhetto techno、Juke musicの世界でした。

ももいろクローバーZ 5th ALBUM MOMOIRO CLOVER Z 全曲レビュー

ついに発売しました。ももいろクローバーZの5thアルバム『MOMOIRO CLOVER Z』。
前回の3rd・4thアルバムから約3年。
その間、有安杏果の脱退という非常に大きな出来事があったが、これを乗り越え発売に至った新アルバム。
このタイミングでセルフタイトルにしたもの、これでももいろクローバーZが完成したという運営の意思表示だろうか。
セルフタイトルは自体は嫌いではないんだが、この大検索時代において検索しづらいというのは大きなマイナスだと思う。
前置きはこれくらいにして、全曲レビュー始めます。(星はなんとなくの評価です。)


1. ロードショー ★★★★☆

曲名からてっきりインスト曲からと思っていたが、イントロからゴリゴリのジュリアナ系。
アルバムの一曲目らしく期待感を高めてくれる。
ライブでも最初に持ってきたら盛り上がるだろうな。

2. The Diamond Four ★★★★★

「マホロバケーション」以来、ももクロへの楽曲提供が増えているインビジことinvisible manners提供のリードトラック。
MVの出来も非常にいい。(いつからかPVって言わなくなったな。)
特に3分過ぎからのサビのリフレインは素晴らしく、是非MVと合わせてみたい。
今作のキラーチューン。

3. GODSPEED ★★★

今回のアルバムで一番万人受けしそうな分かりやすい応援ソング。
超短いAメロとBメロののち(もしくは短いAメロか?よく分からん。)、すぐサビにいくこともあって非常に疾走感を感じる楽曲。
つい走り出したくなる心地よいテンポは駅伝とマラソンのテーマ曲に選ばれたことも納得。
ただ、似たような曲はすでに数多くあるため、今更感があるのは確か。

4. あんた飛ばしすぎ!! ★★★★

GARLICBOYの同名曲をももクロ用にリメイクした楽曲。
パンクロックをアイドルの自己紹介曲にするというアイデアだけですでに勝ち。
難しいことは考えず、頭を空っぽにして聴くべし。

5. 魂のたべもの ★★★★

これまでのアップテンポな楽曲からは一転、おどろおどしくも美しい曲。
重厚なストリングスと4人のユニゾンが見事にマッチしている。
大人になった今だからこそ歌えるようになった曲だと思うが、賛否は分かれそう。
ライブでちゃんと歌いきれるのだろうか。

6. Re:Story ★★★★☆

雷に打たれたような衝撃を受けた後に自宅に帰ってきたような安心感。
サビのYeah Yeahが非常に心地いい。
フジファブリックの「若者のすべて」とともに夏の終わりに聴きたい曲。

7. リバイバル ★★☆

中華風イントロから始まりそのあとはK-POPっぽい展開。
悪い曲ではないんだが、あえてももクロが歌う必然性は感じないかな?
みなが曲調に合わせ、歌唱法を大きく変えているため、その点はかなり新鮮。

8. 華麗なる復讐 ★★★☆

イントロのコーラスがThis is so イェンタンフォー* ビキニ にしか聞こえず、曲に集中できない。。。
ミュージカル曲のごとく、目まぐるしい展開やメンバーのセリフが入ったりする。
そして最後はまさかのボリウッドからのスタンディングオベーション。
怪作。
*タイで食べられる紅腐乳麺というピンク色のスープの麺料理。

9. MORE WE DO! ★★★★

一聴したときは??だったが、じわじわ良さがわかるスルメ曲。
調べてみるとCHAIという「ブス」「NEOかわいい」をコンセプトに掲げたガールズバンドの提供曲らしい。
れにちゃんの使い方とみなの肩の力の抜けた歌い方が絶妙。
CHAIにはカップリング曲で楽曲提供を依頼しそう。

10. レディ・メイ ★★★

イントロの骨太のリフを含め曲自体は非常に格好いい仕上がりになっているが、
如何せんメンバーの可愛らしい声だと歌いこなせていない印象を受けてしまう。
夏菜子を筆頭に低音をカッコよくだようという姿勢は感じられるが、
こういう曲はやっぱり杏果がいないの難しいのかな。

11. Sweet Wanderer ★★★★

「空のカーテン」以来のチャットモンチーの元ドラマー・高橋久美子の歌詞提供曲。
チャットモンチー時代からこの人は本当にいい歌詞を書くなー。
今作も日常に疲れた社会人の背中をそっと押してくれてる、そんな優しい歌詞だ。
ここが最終曲でも違和感はないが、もう少しだけ続きます。

12. 天国のでたらめ ★★★

ももクロ主演ミュージカル「ドゥ・ユ・ワナ・ダンス?」の挿入歌に使われた曲のため、
アルバムに入れると浮くかなと発売前は心配していたが、全曲方向性が違いすぎて違和感なく収まっている。
ミュージカルを観ていれば曲の受け取り方も違うんだろうが、あまり印象に残らない曲。

13. The Show ★★★☆

この曲名を見て、MLBの野球ゲームを思い浮かべた人は私だけではないはず。
実際はオーストラリア生まれのLenkaの同名曲のカバーとのこと。
アルバムのフィナーレを飾るにふさわしい(ボーナストラックはあるが)、余韻に浸れる仕上がり。
まさに大人になった今だからこそ歌える曲となっている。

Bonus. ももクロの令和ニッポン万歳!

そんな余韻をきれいサッパリ流してしまう一曲。
今回のアルバムでこの曲を一番楽しみにしていた人も多いのではないだろうか。
前作?の「ももクロのニッポン万歳!」は全都道府県を紹介するご当地ソングに見せかけた東北応援ソングだったが、
今回は停滞感の漂う日本への応援ソングとなっている。
それにしても最近、ヒャダインはももクロの編曲をさせてもらえなくなったな。
あのワチャワチャ感が少し大人になったももクロには合わなくなってきたということだろうか。
夏菜子が最後に「次は世界だー!」と叫んでいた通り、バンコクでもライブをしてほしい。
こんなブログ絶対に見ていないだろうが、運営の方々、是非検討ください。

総評

「人生という名のshow」の如く、様々なshowを観ているようなこれまでのももクロにはなかった曲が揃えられた本作。
1stアルバムから5thアルバムまで毎回賛否両論になるようなアルバムを出してきたわけだが、
悪く言うとグループのコンセプトが固まっていないと言えなくもない。
その一方、使い捨てられる女性アイドルグループが多い中、従来の女性アイドルグループの枠にハマらない息の長いエンタメ集団になるべく
その時代に合った、またその時のメンバーの力量に合った作品を出していると考えれば、この振れ幅も納得できる。
次作でも「ももクロらしくない」と言われるだろうが、それがある意味「ももクロらしさ」なのだろう。
まずは今作をじっくりと聴き込み、新たなももクロを楽しみに待つことにしよう。