ついに発売しました。ももいろクローバーZの5thアルバム『MOMOIRO CLOVER Z』。
前回の3rd・4thアルバムから約3年。
その間、有安杏果の脱退という非常に大きな出来事があったが、これを乗り越え発売に至った新アルバム。
このタイミングでセルフタイトルにしたもの、これでももいろクローバーZが完成したという運営の意思表示だろうか。
セルフタイトルは自体は嫌いではないんだが、この大検索時代において検索しづらいというのは大きなマイナスだと思う。
前置きはこれくらいにして、全曲レビュー始めます。(星はなんとなくの評価です。)
1. ロードショー ★★★★☆
曲名からてっきりインスト曲からと思っていたが、イントロからゴリゴリのジュリアナ系。
アルバムの一曲目らしく期待感を高めてくれる。
ライブでも最初に持ってきたら盛り上がるだろうな。
2. The Diamond Four ★★★★★
「マホロバケーション」以来、ももクロへの楽曲提供が増えているインビジことinvisible manners提供のリードトラック。
MVの出来も非常にいい。(いつからかPVって言わなくなったな。)
特に3分過ぎからのサビのリフレインは素晴らしく、是非MVと合わせてみたい。
今作のキラーチューン。
3. GODSPEED ★★★
今回のアルバムで一番万人受けしそうな分かりやすい応援ソング。
超短いAメロとBメロののち(もしくは短いAメロか?よく分からん。)、すぐサビにいくこともあって非常に疾走感を感じる楽曲。
つい走り出したくなる心地よいテンポは駅伝とマラソンのテーマ曲に選ばれたことも納得。
ただ、似たような曲はすでに数多くあるため、今更感があるのは確か。
4. あんた飛ばしすぎ!! ★★★★
GARLICBOYの同名曲をももクロ用にリメイクした楽曲。
パンクロックをアイドルの自己紹介曲にするというアイデアだけですでに勝ち。
難しいことは考えず、頭を空っぽにして聴くべし。
5. 魂のたべもの ★★★★
これまでのアップテンポな楽曲からは一転、おどろおどしくも美しい曲。
重厚なストリングスと4人のユニゾンが見事にマッチしている。
大人になった今だからこそ歌えるようになった曲だと思うが、賛否は分かれそう。
ライブでちゃんと歌いきれるのだろうか。
6. Re:Story ★★★★☆
雷に打たれたような衝撃を受けた後に自宅に帰ってきたような安心感。
サビのYeah Yeahが非常に心地いい。
フジファブリックの「若者のすべて」とともに夏の終わりに聴きたい曲。
7. リバイバル ★★☆
中華風イントロから始まりそのあとはK-POPっぽい展開。
悪い曲ではないんだが、あえてももクロが歌う必然性は感じないかな?
みなが曲調に合わせ、歌唱法を大きく変えているため、その点はかなり新鮮。
8. 華麗なる復讐 ★★★☆
イントロのコーラスがThis is so イェンタンフォー* ビキニ にしか聞こえず、曲に集中できない。。。
ミュージカル曲のごとく、目まぐるしい展開やメンバーのセリフが入ったりする。
そして最後はまさかのボリウッドからのスタンディングオベーション。
怪作。
*タイで食べられる紅腐乳麺というピンク色のスープの麺料理。
9. MORE WE DO! ★★★★
一聴したときは??だったが、じわじわ良さがわかるスルメ曲。
調べてみるとCHAIという「ブス」「NEOかわいい」をコンセプトに掲げたガールズバンドの提供曲らしい。
れにちゃんの使い方とみなの肩の力の抜けた歌い方が絶妙。
CHAIにはカップリング曲で楽曲提供を依頼しそう。
10. レディ・メイ ★★★
イントロの骨太のリフを含め曲自体は非常に格好いい仕上がりになっているが、
如何せんメンバーの可愛らしい声だと歌いこなせていない印象を受けてしまう。
夏菜子を筆頭に低音をカッコよくだようという姿勢は感じられるが、
こういう曲はやっぱり杏果がいないの難しいのかな。
11. Sweet Wanderer ★★★★
「空のカーテン」以来のチャットモンチーの元ドラマー・高橋久美子の歌詞提供曲。
チャットモンチー時代からこの人は本当にいい歌詞を書くなー。
今作も日常に疲れた社会人の背中をそっと押してくれてる、そんな優しい歌詞だ。
ここが最終曲でも違和感はないが、もう少しだけ続きます。
12. 天国のでたらめ ★★★
ももクロ主演ミュージカル「ドゥ・ユ・ワナ・ダンス?」の挿入歌に使われた曲のため、
アルバムに入れると浮くかなと発売前は心配していたが、全曲方向性が違いすぎて違和感なく収まっている。
ミュージカルを観ていれば曲の受け取り方も違うんだろうが、あまり印象に残らない曲。
13. The Show ★★★☆
この曲名を見て、MLBの野球ゲームを思い浮かべた人は私だけではないはず。
実際はオーストラリア生まれのLenkaの同名曲のカバーとのこと。
アルバムのフィナーレを飾るにふさわしい(ボーナストラックはあるが)、余韻に浸れる仕上がり。
まさに大人になった今だからこそ歌える曲となっている。
Bonus. ももクロの令和ニッポン万歳!
そんな余韻をきれいサッパリ流してしまう一曲。
今回のアルバムでこの曲を一番楽しみにしていた人も多いのではないだろうか。
前作?の「ももクロのニッポン万歳!」は全都道府県を紹介するご当地ソングに見せかけた東北応援ソングだったが、
今回は停滞感の漂う日本への応援ソングとなっている。
それにしても最近、ヒャダインはももクロの編曲をさせてもらえなくなったな。
あのワチャワチャ感が少し大人になったももクロには合わなくなってきたということだろうか。
夏菜子が最後に「次は世界だー!」と叫んでいた通り、バンコクでもライブをしてほしい。
こんなブログ絶対に見ていないだろうが、運営の方々、是非検討ください。
総評
「人生という名のshow」の如く、様々なshowを観ているようなこれまでのももクロにはなかった曲が揃えられた本作。
1stアルバムから5thアルバムまで毎回賛否両論になるようなアルバムを出してきたわけだが、
悪く言うとグループのコンセプトが固まっていないと言えなくもない。
その一方、使い捨てられる女性アイドルグループが多い中、従来の女性アイドルグループの枠にハマらない息の長いエンタメ集団になるべく
その時代に合った、またその時のメンバーの力量に合った作品を出していると考えれば、この振れ幅も納得できる。
次作でも「ももクロらしくない」と言われるだろうが、それがある意味「ももクロらしさ」なのだろう。
まずは今作をじっくりと聴き込み、新たなももクロを楽しみに待つことにしよう。
タイに住んでゲームしたり、チャリに乗ったり、筋トレしたりしています。3児の父。